
「このような相関関係があればある程度自信を持てます。私たちは特定の事柄の自動化を推進したいので、高い信頼度を求めていました」と彼は言う。
BNY Mellonは、本格導入のためのインフラ設定とデータワークフローの整理に時間をかけた後、ソフトウェア開発会社と銀行の3つのグループ(優秀なテクノロジーチーム、データ専門家、KYCセンター)のスタッフが参加して、完全な導入に踏み切った。「規制の観点を考慮してこのプロジェクトを確実に実行できるのが彼らなのです」と彼は言う。
Quantexaのソフトウェア・プラットフォームは、単にエンティティ・リゾリューションを行うだけではない。 誰が誰と取引しているか、誰が住所を共有しているかなど、データ内のつながりのネットワークをマッピングすることもできる。
今のところ、課題は「いつ止めるか」を知ることかもしれない。「顧客記録を外部のデータソースと関連付け、さらにそれを自社の活動と関連付け、取引監視や制裁を追加する。これらのデータセットを相関させることの価値を理解し始めると、より多くの成果を生み出すことができると考えるようになるため、私たちは今、より多くのデータセットを複合的に追加するPoCを行っている。あらゆるユースケースを投入したい。」と同氏は言う。
テクノロジーサプライヤーに投資する
BNY MellonはQuantexaの顧客というだけでなく、投資家の一人でもある。同社と1年間協働した後、2021年9月に初めて株式を取得した。
「製品の開発方法について意見を出したかったし、諮問委員会にも参加したかった」とハーシュホーン氏は言う。
Quantexa社への投資は、同行にとって特別な決断ではない。同行が投資した技術サプライヤーには、他にもポートフォリオ管理の専門ツールであるOptimal Asset Administration、BondIT、Conquest Planning、ローコードアプリケーション開発プラットフォームGenesis Globalがある。そして2023年4月にはIT資産管理プラットフォームEntrioにも投資した。
しかし、顧客と投資家という役割は、必ずしも一致しない。「この戦略は、私たちが利用するすべての新しいテクノロジー企業に適用できるとは考えていません」と彼は言う。
競合他社に利用されないように、重要なサプライヤーの株式を購入する企業もあるが、Quantexaのエンティティ・リゾリューション技術に投資した同行の目的はそうではないとハーシュホーン氏は言う。
「これは独占的な技術ではなく、誰もがこの技術に優れている必要がある。金融犯罪の手口はますます巧妙になっている。業界全体と歩調を合わせることは、金融市場の健全性を保つ上で非常に重要なことだ。」と同氏は語る。
BNYメロンは、2023年4月にQuantexaに再び出資。この時、ABNアムロとHSBCという他の2つの銀行も一緒に投資に加わった。